Diary 2008

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材木座海岸 2008.8.8(Optio W60)


★2004年5月〜2010年5月までの日記は、『日常で歌うことが何よりもステキ』に収録しました。
★2010年6月〜2011年6月までの日記は、『いやらしさは美しさ』に収録しました。


8月12日(火)


10日の夜中、チャコが泣き出す。立とうとしても立てず、よろけ、おもいっきり首をふりまわし、頭が床にぶつかりそうになる。「どうしたの、どうしたの」と抱きかかえあやすが、発作は止まらない。寿命かなと思った。あと2ヵ月で16歳だ。チャコの体を支えながら、こうやって僕も自分を見失い、もがき、狂ったように、死んでいくのだろうかと思った。

一緒に寝ながら、頭をなでさすると落ち着くが、数時間たつと、また暴れだす。眼球は横揺れし、首は左へと傾き、訴えかけるかのように、泣き出す。かなり大きな鳴き声だ。

11日午後、往診の先生によると、突発性前庭疾患とのこと。原因不明で、老犬がかかりやすく、平衡感覚を失い、まれに脳異常をきたす。24時間をピークにあとは回復に向かってゆくが、チャコちゃんの場合は、認知症も進んでいるかも知れないという診断。

その日は、ちょうど鎌倉花火大会。今年はいい場所を確保できたので楽しみにしていたのだが、それどこではなくなってしまった。水中花火の地響きを感じながら、チャコを抱きしめる。発作がおきるたびに、お医者さんからいただいた薬を与える。昨日よりは症状が落ち着き、ほっとする。

12日朝、寝ながら、おしっことうんち。そのままずうっと寝たまま。薬が効いているのだろうか。ふと思い出したように時々もがく。スポイトで水を飲ませ、ペースト状の栄養補給食品を口の中へ。突発性前庭疾患は治っても、認知症は治らないかも知れない。まだ、ちゃんと4本の足で立てない。歩けない。


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