★2004年5月〜2010年5月までの日記は、『日常で歌うことが何よりもステキ』に収録しました。
★2010年6月〜2011年6月までの日記は、『いやらしさは美しさ』に収録しました。
2月21日(日)
少し風邪気味だ。部屋がえらく乾燥していることに気づく。加湿器を注文。うーん、机も欲しくなる。無印に寄って机を注文し、今日は鎌倉へ戻ろうと電話をしたら、「えー、帰ってくるの? 何もないわよ。じゃ、ご飯炊いて豚の生姜焼きと鯵の干物にするから。先に寝ちゃうかも知れない」「いや、しいこが寂しいと思ってさー」「そんなことないわよ。風邪気味なら、まだそっちにいれば」「じゃそうするわ」2月13日(土)
僕の書いた文章を誰かが引用してくれたりすると(単なる自惚れであるが)、「あれ、これ誰が書いたの? いいじゃない」などと思う。そこで「切り抜きノート」と題し、これまで書いた日記やエッセイの中から、自ら気に入っている言葉を選び出し、並べてみたことがあるが、それはただ羅列しただけで実につまらなかった。言葉がみな死んでいる。
ところが、誰かによって引用された言葉は、もう僕の言葉ではない。選んだ人の言葉になっている。おそらく、その人のたましいみたいなものが入って、言葉が生まれ変わり、生き生きとしてくる。
詩を書いている人が詩人なのではない。その詩をいいなと思った人が詩人なのだ。歌っている人が歌手なのではない。演奏している人が音楽家なのではない。「♪感動する心が音楽なんだ」(音楽)。