Diary 2010

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鳥取砂丘 2010.9.25(photo by GR DIGITAL V)


★2004年5月〜2010年5月までの日記は、『日常で歌うことが何よりもステキ』に収録しました。
★2010年6月〜2011年6月までの日記は、『いやらしさは美しさ』に収録しました。


10月24日(日)


夕方5時、新宿に着くと雨がポツリ。ライブの日に雨が降ると、お客さんに申し訳なく思う。今日は新宿ゴールデン街「裏窓」。初めての場所だ。夕方6時と夜8時の2回公演。チケットは売切れとのこと。店が小さくて椅子が7つしかないからだ。しかし、アップライトピアノがある。かつて、浅川マキさんが使っていたピアノらしい。

いい音だ。ピアノのふたを閉めれば、声とのバランスがいい。マイクなしで歌うことにした。初めての経験。自然な音だ。黒い壁に向かって歌うのだが孤独感がない。後方はカウンターの中、背中にお客さんの目線を感じない。椅子は横に並んでいる。僕はぴったりくっつかれても全然平気。おじさんでなければ、ひざに乗ってもOK。

調律の方がリハーサルをちょっと聴いていってくれた。初めて僕の歌を耳にする人がいるのを意識するのはいいものである。数曲、ところどころを歌う。どうして、リハーサルはリラックスして歌えるのだろう。常に本番もこうでありたい。あとで、新見さんの話によると、ほんのちょっとしか歌わなかったのに、「父さんへの手紙」の時、調律の方は涙を流していたという。


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