★2004年5月〜2010年5月までの日記は、『日常で歌うことが何よりもステキ』に収録しました。
★2010年6月〜2011年6月までの日記は、『いやらしさは美しさ』に収録しました。
4月1日(金)
女の子を本気で好きになっても、妻は嫉妬せず、どうぞどうぞと協力すらしてくれる。男友だちは、「早川さんの奥さんいいなー」と唯一、それだけを羨ましがってくれたのだが、ここにきてちょっと崩れかけてきた。「5年でも10年でもどこかへ行ってらっしゃい。私を一人にさせて」と、さんざん家出をすすめていたのに、いざ僕が東京で独り暮らしをし、鎌倉へ帰らなくなったら、寂しくなってしまったのだろうか、ちょっと前と様子が違ってきた。
もちろん、今まで通り、僕を自由にしてくれるのだが、「私も仲間に入れて」みたいに甘えるようになってしまったのだ。「君は僕を笑わせる係なんだから、普通の女になっちゃ面白くないよ」「だって、しょうがないじゃない。好きなんだもの。何とかしてくれよ!」「そんなこと言うなよ。こっちだって都合があるんだから。『人類みな独り』って子どもを育てたじゃないか」「なら、早く、曲作れよ」「頑張ってるんだよ。でも出来ないものはしょうがないじゃないか」
「今度いつそっちに行っていんだっけ?」
「水曜日に決めたじゃない」
「あっ忘れてた。私は水曜日の女だったんだ」