★2004年5月〜2010年5月までの日記は、『日常で歌うことが何よりもステキ』に収録しました。
★2010年6月〜2011年6月までの日記は、『いやらしさは美しさ』に収録しました。
9月2日(日)
私立和光学園の同窓会があり、そのあと高校のクラス会があって、生まれて初めてクラス会に出席した。これまでにも何回か開かれていたらしいが、僕は気持ちが動かず欠席していたのだ。今回、久しぶりにやるからという連絡を I 君からもらい、「みんな気さくだよ」という言葉に逢いたくなった。
すぐにわかった人、名前を聞いてから「おー」という感じで思い出せた人、なんだかぼんやりとしか思い出せない人、さまざまだ。なにしろ、42年ぶりだからである。
一番びっくりしたのは、これはまったく失礼な話だが、大親友だったC君がわからなかったことだ。最初、まだ来ていないのかなと思った。それにしても、さっきから誰だかがわからなくて、気になってしょうがない人がいたので、隣りの席にいたK君に「あの人誰?」と小声で訊ねると、なんと、その人がC君だったのだ。
びっくりした。いや、お互い様なのだろう。もしかしたら、付き合いの深かった人ほど、ぼんやりとしたイメージではなく、鮮明に姿形がまぶたに張り付いているため、ほんの少しでも違いがあると、すぐには結び付かないのだ。
太った人から「早川君、太ったね」と言われた。「早川くん、目そんなに細かったっけ」とも言われた。(そう、サングラスで隠してたの)。僕は18歳のままで思考が止まり、姿形だけが友だちと同じように変わってしまったのだ。クラス会は、まさに浦島太郎の物語であった。