エッセイ 21
アンケート 余命半年と宣告されたら?
「dankaiパンチ 2009年2月号」(飛鳥新社) 2009年2月1日発行(1月17日発売)
日常の活動がこなせているのに、もし余命半年と宣告されたら、どうしますか。
遺言は書いていますか。書いていない方はその理由を、教えてください。
最期が近づいていることを告知されたら、最初に誰に伝えますか。
(宣告を受けても)笑いと感動とHしか興味がありません。一番の望みは、相思相愛の恋人と思う存分、美味しいものを食べ、旅行や遊びや買い物に明け暮れ、お金を使い果たします。妻も娘たちも心からそれを望んでいます。「男の人は好きにさせないと才能が伸びない」と信じているからです。問題点はただひとつ、恋人がいないことです。才能が伸びないのはそのせいでしょう。そういうことにして下さい。ゆえに、寂しい顔をしながら死んで行くでしょう。
遺言ですが、「♪僕が死んだら……」(僕の骨)という歌を作っただけです。お葬式もお墓も要りません。人には知らせず、もしも、友人から電話があったら「あー、半年前に死んじゃったんですよ」と答えればよいと家人には伝えてあります。みんないつかは死ぬのですから、悲しいですが事件ではありません。
告知を受けたことは、四〇年連れ添ってしまった妻に伝えます。「十分生きたからいいんじゃない。まあまあの人生だったわよ」ときっと力づけてくれると思います。妻に「あなたならどうする?」と訊いたら、「私はふだんと変わらない生活をする。もしボケちゃったら、どこにでも入れてちょうだい」と言っていました。欲のない人ほど幸せになれるような気がします。