エッセイ 2
類は友を呼ぶ
「THE YELLOW MONKEY 1989-99」(BOWINMAN MUSIC) 1999.12
吉井和哉さんと初めてお逢いしたのは五年ほど前だろうか。吉井さんのTV番組にゲスト出演した時だった。収録はスタジオではなく、なぜか下北沢であった。そこは、狭い急な階段を上って扉を開けると、いかにもという感じの小さなバーであった。壁には古い映画や演劇のポスターがべたべたと貼ってあり、桟にはマッチ箱がびっしりと並んであった。一番びっくりしたのは、カウンターの中央にろうそくの山があった。たぶん、毎晩そこに火が灯るのだろう。ろうが垂れて五十センチぐらいの円錐状になっている。
吉井さんの趣味なのかなと思って「この店へはよく来られるんですか」と訊いてみた。すると「いや、いや、早川さんがいつも来ているのかなと思って」と言われてしまった。真相は、ふたりに似合いそうな場所ということで担当者が探して来てくれたらしい。
「誤解される人ほど美しい」(岡本太郎)という言葉もあるくらいだからまあいいか。